Distance of love 2
             
             


・・・嵐の過ぎ去った後も二人はよりそったまま、お互いの体温を肌で感じていた。

瞳を上げればすぐ傍に優しい瞳があって、不二は胸の内に満ちてくる幸福に目を細める。

 「・・・越前・・・」

 「・・・何すか?」

「君には本当に感謝してるよ。」

 「・・・え・・・」

 「・・・ありがとう・・・」

 他人に心から思われ、求められる喜び。そして他人を心から思い、求める喜び。

きっと彼に出会わなければこんな思いは知らずにいたし、自分はずっと他人に心を閉ざしたままだったろう。

 「・・・ありがとう・・・っすか。」

でも、心からの感謝をこめた言葉がそれほど気に入らなかったようで、小さく眉を寄せたリョーマに不二も眉を寄せる。

「?越前??」

「感謝されるのも悪くないけど、今はもっと別の言葉が聞きたいっす。」

 「別の言葉・・・ねぇ・・・」

リョーマのその拗ねたような口調に不二は彼の望みを知り、苦笑する。

心も、そして身体も通じ合った途端、わがままになったようで、でもそんな彼をひどく愛おしく感じている自分がいる。

「・・・君でも駄々こねることあるんだ?」

 「!なっっ」

 「可愛いね。」

思いがけない言葉に絶句していると、そんな自分を見て不二がくすくすと笑っていて。

この状況でそれはないだろう、と口を尖らせれば、だって本当のことだもん、と悪びれもせずにそう言われ、誰かさんよろしくリョーマの眉間のしわが深くなる。

 「・・・越前?」

拗ねてしまったのか、黙りこくってしまったリョーマにちょっとからかいが過ぎたかな、と不二は苦笑する。

「越前、僕の好きな言葉を教えてあげるよ。」

「?」

「大切なものは目に見えない・・・僕の好きな話に出てくる言葉なんだけれど、僕はそれを見つけることができた、そう思っているんだよ。」

「先輩・・・?」

自分の言葉にしばし小首を傾げていたリョーマだったが、やがてその意味を悟ったのか、ぱっと顔を輝かせる。

そんなリョーマにちょっと笑って腕を伸ばすと、不二は彼の胸に自分の頬を押し当てる。

「だから・・・ありがとう。そして・・・これからもよろしく。」

 「・・・こちらこそ、よろしくっす。」

一世一代の告白にそう嬉しそうに耳元で囁いてくれたリョーマの声に、限りない幸せを感じつつ、不二は瞳を閉じた。